最新の生物学、脳科学、進化論、科学論をもとに臨界期をふまえた子育て論を語る。
また、自ら3人の子供を有名国立、私立大学に合格させた体験談も満載!!
インタビュアー 佐藤 満(トライ)
トライ
『すこしの努力で「出来る子」をつくる』の中に、脳に対して「どういう時期にどのような学習をさせたらよいか」ということは先天的にかなり決まっているとありました。(左図参照)
今回は、「読書」についての適切な時期を、ご指導いただきたいと思います。
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(PDF 10.7KB)
池田
まず小学3年生頃までは、いろいろな本を多読させるより、親が選んだ名文を繰り返し子供に読ませることをお薦めします。
この10歳頃までの記憶は一生残るもので漢字や九九などは頭が覚えていなくても体で覚えているんです。(実際は考えるのとは別の頭を使っている)
30歳を過ぎて初めて覚えた漢字は、数日経つと忘れちゃいますよね。(笑)
そのため、むやみに若手の作家の文章を読ませると、文法や表現がおかしいものもあるので、子供の脳に間違った表現が入りこみます。アンデルセン童話など正統的な文章を繰り返し読むと良いでしょう。
トライ
なるほど。小学校低学年までは同じことを繰り返し学習し、学力の土台をつくることが重要なのですね。高学年になると、どのようなことが重要になるのでしょう。
池田
小学5・6年生になると、苦手科目が出てきますね。たとえば、算数は計算問題はできるけど、文章題ができないというケース。これは算数ができないのではなく、国語ができていないのです。
この時期は「論理的な長い文章」を読ませ、読解力と速読力をつけることに一番適した時期と言えます。
日常的読書をする習慣をつけて国語力をあげることで他の教科にも良い影響があると言えます。
トライ
先日、安部首相の所信表明演説がありました。その中で、「教育再生」をテーマとし、教員免許の更新制度や学校の外部評価制度の導入について述べた話がありました。教育改革については、いかがお考えでしょうか。
池田
教育を良くするということについては賛成です。ただし、どのような仕組みにするのか、きちんと議論する必要がありますね。
指導力がない教師というのは、往々にして教科教育の技能が劣っている。今の親の半数は大学を出ているため、教師の指導力を見破るんですね。だから家庭内で教師の悪口を子供に言ったりする。
トライ
教育免許の更新の際は、教師の教科指導の力を判断していかなくてはいけないということですね。
池田
そうです。誰が判断するのか?判断基準は何か?非常に難しい問題だと思います。まずは仕組みをしっかり決めることですね。
トライ
本日はありがとうございました。
すこしの努力で「できる子」をつくる
著者 池田清彦
出版社 講談社
価格 1470 円 (税込)
池田 清彦(イケダキヨヒコ)
1947年東京都生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程終了。現在山梨大学名誉教授、早稲田大学教授。専攻は生物学。構造主義科学論とそこから導かれるれる多元主義。「正しく生きるとはどういうことか」「新しい生物学の教科書」(新潮社)「初歩から学ぶ生物学」(角川書店)など、著書多数。週刊紙、新聞などの書評家としても活躍。
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